冬の臓器「腎」を知ろう
こんにちは。
大倉山鍼灸院のクマです。
今年の冬は冬眠知らずで通常勤務に励んでおります。
さて、気が付けばすっかり冬本番。
寒い日が続いておりますが、体調はいかがでしょうか。
クマは暖房の効いた待合室のソファーで、居眠りしている東洋医学を勉強しています。
東洋医学では、冬に最も影響を受けやすい臓器は「腎」と言われています。
今回は、この「腎」って何してるところなの?というところから「腎」をお勉強していきます。
東洋医学でいう「腎」は「五臓」のひとつなわけですが、そもそも五臓って何なんでしょうか。
東洋医学には「五行学説」という考え方があり、自然界や身体のことなど、様々なものを5つに分類して考えます。この法則に人体を当てはめて分類したものが「五臓」(肝・心・脾・肺・腎)となります。身体の働き五臓を中心に考え、五臓がバランスよく働いている状態が健康であると考えます。
東洋医学でいう五臓は、単純に解剖学的な臓器をさすだけでなく、それぞれで機能(気血や水分の調節など)をも含み、五臓それぞれが互いに影響しあって生命を支えていると考えます。
現代医学における「腎臓」の主な役割は、血液をろ過して尿を作り体内の水分を調節することですが、東洋医学では広く生殖や成長・発育、ホルモンの分泌、免疫系などの機能を併せ持つ「生命の源」と考えられ、全身の健康に大きく関係しています。
腎の主な働きは、
1、生命を維持するエネルギー源「精」(成長・生殖機能)を蓄える。
2、体内の水分をコントロール(排尿機能)する。
3、酸素を体内に深く吸い込むのをサポートする納気機能。
4、骨や歯、脳、髪などの生育。
5、耳や尿道、肛門の機能維持。
などがあげられます。
そのため、腎に蓄える精が不足して機能が衰えると、不妊症や精力の減退、更年期障害、骨粗鬆症、排尿トラブル、脱毛、健忘症、聴力の低下など、さまざまな不調や老化現象が現れるのです。また、腎が弱くなると他の臓器にも影響するため、身体の免疫力や回復力が低下してしまうこともあります。
また、特に冬は、五行学説で考えると「腎」にあたる時期。腎は寒さに弱いため、身体が冷えると、その機能が低下しやすくなってしまいます。
そんな「腎精」は年齢とともに、自然と減っていくものと考えられています。この衰えを止めることはできませんが、日頃の養生で衰え方を緩やかにすることはできます。つまり、健やかな老後を過ごすためには腎の養生が大切になります。
最近は過度なダイエット(極端な偏食)や睡眠不足の影響により、若くても腎の弱い人が少なくありません。主な症状を参考に自分でしっかりチェックして「腎」を健康に保ちましょう。
「腎」の養生のポイントは、とにかく冷やさないこと。
これが重要です。特に「腎精」が蓄えられているとされるヘソの下、いわゆる臍下丹田(せいかたんでん)を温めるよう意識してください。張るカイロや腹巻きなどがおススメです。腎に効く食材やツボも載せておきますので参考にしてみてください。
腎に効く食材:
クルミ、松の実、クコの実、桑の実
山芋、蓮の実、銀杏、もち米、牡蠣
海老、にら、羊肉、牛肉、鶏肉、シナモン、よもぎ、しょうが
海苔、昆布、その他海草類、黒豆、木くらげ、黒ごま
腎に効くツボ:
湧泉(ゆうせん):足の裏。足の指を曲げて人字型にくぼむところの交点
またまた登場の湧泉ですが、懲りずに指圧してください。
気持ちのいいと感じられる強さで押すのがポイント。強く押しすぎないように注意して!
まだまだ寒い日が続きますが、「腎」を元気にしてしっかり乗り切りましょう。
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大倉山鍼灸院 営業部長 クマ